受注につながるSNS運用提案書テンプレート

受注につながるSNS運用の提案書テンプレート。必要なセクション、業務範囲の書き方、価格の段階設計、そして決めるためのフォローアップまで解説します。

最終更新: 2026年8月28日

SNS運用の提案書は本当は何のためにあるのか

提案書は価格表ではありません。見込み客が「この人は自社のビジネスを、ブランドを預けられるほど理解している」と信じるかどうかを決める文書です。

多くのSNS運用の提案書は、同じ形で失注します。冒頭に自社紹介のページを置き、成果物を一式並べ、最後に金額を書き、それに払う価値があるかどうかの判断を相手に丸投げする。クライアントには、あなたの提案書と机の上にある他の三通の違いが分かりません。だから比較できる唯一のもの、つまり価格を比べます。そして安いほうに負け、いちばん自分を安売りした人が仕事を取ります。

良い提案書は、その比較そのものを消します。クライアント自身よりも明快に、相手の状況を描き出し、そのうえで今回の仕事を「当然の出口」として提示するのです。このテンプレートは、その構成と言い回し、そして避けるべき落とし穴をまとめたものです。

何かを書き始める前に

提案書は会話の要約であって、会話の代わりではありません。ヒアリングをしていなければ、それは当て推量であり、当て推量は読めば分かります。

まず次の答えを手に入れてください。

  • このクライアントが本当に欲しい成果は何か。予約の増加、応募者の増加、来店客の増加、投資家に見せられる体裁。「フォロワーを増やしたい」は、口に出されることは多くても、ほぼ本当の答えではありません。
  • すでに何を試し、どうなったか。
  • いま誰が投稿していて、どれくらいの時間がかかっているか。
  • 新規顧客一人は、一年でいくらの価値になるか。
  • 誰が承認し、その人は何を不安に感じるか。
  • いつまでに動かしたいか、そしてその期日を決めているものは何か。

最後の二つは、思われている以上に重要です。決裁者が口にしない懸念にさりげなく答えている提案書は、ブリーフにだけ答えている提案書よりはるかに強いのです。

テンプレート、セクションごとに

全体は六から九ページに収めてください。長い提案書は丁寧に見えるのではなく、読まれていないように見えます。

1. 表紙

相手の会社名を自社名より大きく。案件の一行説明、日付、連絡先。それ以外は不要です。提案書の主語は相手です。

2. 状況の理解

ここが最も重要なページであり、多くの提案書が省いてしまうページです。三、四段落の短い文章で、クライアントの現状を自分の言葉で描いてください。いま何をしているか、何がうまくいっているか、どこに穴があり、それがいくらの機会損失になっているか。

相手の言葉と、相手固有の事実を使います。繁忙期が始まると投稿が止まると聞いたなら、そう書く。競合が週五回投稿していて、相手が月二回なら、それを言葉にする。クライアントがこのページを読んで「まさにそれです」と思ったなら、残りの提案書は形式にすぎません。

3. 目標

求める成果を、指標と期限のついた測定可能な目標二、三個に翻訳します。たとえば、SNS経由の有望な問い合わせを月およそ四件から六か月で月十二件に増やし、その間、二つのプラットフォームで週四本の投稿ペースを維持する、というように。

約束する内容には注意してください。自分が管理できる行動と、影響を与えられる先行指標に対して約束します。相手の営業チーム次第で決まる売上金額を約束してはいけません。

4. 進め方

自分の働き方を、平易な言葉で三、四つのフェーズに分けて説明します。たとえば次のように。

  • フェーズ1、土台づくり。 現行アカウントの監査、競合調査、ブランドボイスとビジュアル指針、コンテンツの柱の設定。
  • フェーズ2、構築。 コンテンツカレンダー、最初の制作分、承認フロー、予約投稿の設定。
  • フェーズ3、運用。 合意したペースでの継続的な制作と予約投稿、合意した時間帯でのコミュニティ対応。
  • フェーズ4、学習。 目標に対する月次レポート、四半期ごとの戦略見直し、柱と形式の調整。

クライアントが買っているのは投稿ではありません。自分が催促しなくても毎週確実に何かが進むという安心を買っています。プロセスを描くことが、その安心を売る方法です。

5. 業務範囲と成果物

正確に書いてください。ここでの曖昧さは、後で無償労働になります。

項目ごとに、数量、頻度、形式を明記します。「静止画のグラフィック月十二点と短尺動画月四本を、InstagramとLinkedInに投稿」は業務範囲です。「SNSのコンテンツ」は業務範囲ではありません。

同じセクションに、境界線も書きます。身構えた書き方ではなく、中立的に。

  • 制作物一点あたりに含まれる修正の回数。
  • 対象となるプラットフォームと、対象外のプラットフォーム。
  • コミュニティ対応の応答時間帯と、その外に出るもの。
  • 広告運用、撮影、インフルエンサー選定を含むかどうか。
  • 商品写真、アカウント権限、商品情報を誰がいつまでに用意するか。

6. クライアントにお願いすること

クライアント側の役割を短いリストにします。アカウントへのアクセス、承認担当者を一人に定めること、承認にかけてよい日数、ブランド素材。これはスケジュールを守り、プロらしい関係の土台にもなります。SNS運用の遅れの大半は承認待ちであり、それを先に言うのは双方にとって親切です。

7. スケジュール

契約から初回投稿までを、週ごとまたはフェーズごとに並べたシンプルな予定表。承認ステップも入れてください。予定がずれるのはそこだからです。初回投稿に日付が入っているのを見ると、クライアントは安心します。

8. ご提案金額

価格は一つの数字ではなく、選択肢として提示します。二つか三つの段階があれば、クライアントは「やるかやらないか」ではなく「どれにするか」を選ぶことになります。

  • ベーシック。 それでも成果が出る、最小構成の契約。
  • 推奨。 実際に最適だと思うプラン。推奨と明記します。
  • フル。 広告支援や追加プラットフォームなどを含む、より広い範囲。

適切な場合は最低契約期間つきの月額として示し、初期設定費用があれば別に記載します。各段階の内容は同じ順序で並べ、比較しやすくします。「コスト」という言葉は避け、金額について謝らないこと。

9. 実績

短い事例を一つか二つ。状況、何をしたか、何が変わったか。できれば数字とクライアントの声を添えます。それぞれ一段落に収め、見込み客のビジネスに近い事例を選んでください。畑違いの業種の推薦文は、思っているほど働きません。

10. 次のステップと条件の要約

明確な指示で締めます。承諾したら何が起きるか、誰に返信すればよいか、提案の有効期限はいつか。支払条件、解約予告期間、契約終了について短くまとめ、契約書本体は別文書にします。

効く言い回し

言葉の小さな選択が、提案書の伝わり方を変えます。

  • 「私たち」より「御社」「あなた」をはるかに多く書く。
  • 「魅力的なコンテンツを制作します」を、具体に置き換える。「週四本の投稿を御社のブランドボイスで作成し、毎週木曜に承認いただきます」。
  • 説明のない専門用語を避ける。コンテンツの柱のような用語を使うなら、半文で定義します。
  • 有効期限を、圧力ではなく空き状況として書く。「来月第一週の開始枠を一つ確保しています」。
  • 求められてもいない値引きは決して入れない。最初の金額が本物ではなかったと教えることになります。

送付とフォローアップ

提案書はPDFで、クライアントの会社名を含む分かりやすいファイル名で送ります。可能なら、メールで送りっぱなしにせず、その場で一緒に読み合わせてください。打ち合わせで説明した提案書は、一人で読ませた提案書よりはるかに高い確率で決まります。

そのうえで、あらかじめ決めたリズムでフォローします。三日後に短いメッセージ、一週間後にもう一通、二週間後に区切りをつける最後の一通。提案書の多くは断られるのではなく、忘れられるのです。

答えがノーなら、質問は一つだけにします。何が違っていれば決まりましたか。失注十件分の答えは、どんなテンプレートよりも受注率を上げてくれます。

よくある間違い

  • 自分の実績から始める。 クライアントがまず気にするのは自分の問題です。
  • 成果のない成果物リスト。 月十二本の投稿は、それだけでは何の意味もありません。
  • 一つの価格で、取るか取らないか。 段階があれば、諾否の判断が選択の判断に変わります。
  • 無制限という言葉。 無制限の修正と無制限の範囲は、契約が儲からなくなる典型的な経路です。
  • 同じ提案書を使い回す。 状況の理解のセクションは毎回書き直す必要があります。唯一テンプレート化できないページです。
  • 初回投稿の日付がない。 勢いが契約を決めます。

提供する中身を、約束に一致させる

取ったばかりのクライアントを最速で失う方法は、提案書で約束しすぎたうえに、二つのプラットフォームで週四本を作るのに見積もりの倍の時間がかかると後から気づくことです。本当に届けられる範囲を定義し、そのうえで、その範囲が英雄的努力ではなく日常業務になる制作体制を作ってください。

つまり、ブランドボイスとビジュアルのルールが一か所にあり、クライアントも見えるカレンダーがあり、メールの往復に依存しない承認ステップがあり、誰かがボタンを押すのを覚えていなくても投稿される予約の仕組みがあるということです。BrandFleetで始めると、ブランド指針、原稿作成、承認、予約投稿、月次レポートを一つのワークスペースにまとめられます。売った仕事と届ける仕事を一致させられます。

送る前に、必ず調整する

ここまでの内容は、台本ではなく出発点の構成として扱ってください。地元の飲食店なら三ページで、写真中心の範囲設定が向きます。大企業なら、購買部門が通しやすい、セキュリティと業務プロセスを詳しく書いた版が要ります。単発のローンチ施策なら、月額ではなくプロジェクト料金と明確な終了日が要ります。

変わらないのは順番です。相手の状況、目標、進め方、範囲、金額、実績、次の一歩。この順番さえ守れば、提案書はひとりでに説得してくれます。

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